【2026年最新】ドローン機体登録(JU番号)の取得手順と注意点を徹底解説
業務でドローンを導入しようとすると、最初に直面するのが「機体登録」という手続きです。「登録?どこに?どうやって?」——そんな疑問を持つ方がほとんどです。
2022年6月に航空法が大幅に改正され、最大離陸重量(MTOW)100g以上のすべてのドローン・ラジコン機は、国への機体登録が法律上の義務となりました。業務用・趣味用を問わず対象です。未登録のまま飛行させると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金(航空法第157条の4)という刑事罰の対象になります。「知らなかった」では済まされない話です。
とはいえ、手順を正しく理解すれば、オンラインで30〜40分程度で完了できる手続きです。この記事では行政書士の視点から、機体登録の法的な意味・必要な準備・実際の申請手順・登録後の義務まで、ビジネスの現場で即座に使える形で解説します。
1. 機体登録の法的根拠と義務の範囲
機体登録の義務は、航空法第132条の2に明記されています。「無人航空機を飛行させようとする者は、あらかじめ、国土交通大臣の登録を受けなければならない」——つまり、飛行させる前の登録が法律上の前提条件です。
登録が必要な機体の基準
対象となるのは「最大離陸重量(MTOW)が100g以上」の無人航空機です。MTOWとはバッテリーを含む飛行可能な最大重量のことで、機体本体だけの重量ではありません。ビジネス向けに流通している主要機種はほぼすべて対象です。
- DJI Mini 4 Pro:249g → 対象
- DJI Phantom 4 RTK:1391g → 対象
- Autel Robotics EVO Lite+:835g → 対象
- 農業用散布ドローン(ヤンマー YMR-08):約18kg → 対象
100g未満の機体(一部のトイドローン等)は登録不要ですが、飛行禁止空域のルールや安全確保義務などは引き続き適用されます。「100g未満なら何をしても良い」というわけではない点に注意してください。
違反した場合の罰則
未登録飛行・虚偽登録は航空法第157条の4により刑事罰の対象です。「知らなかった」「うっかり更新を忘れた」という言い訳は法律上通用しません。特に業務目的の飛行でトラブルが発生した場合、未登録であることで損害賠償上の過失認定にも影響する可能性があります。事業でドローンを使う以上、登録管理は経営上のコンプライアンス課題として捉えるべきです。
2. JU番号とは何か:仕組みと役割
機体登録が完了すると付与されるのが「JU番号」です。これはJapan UAVの略で、正式名称は「無人航空機登録番号」といいます。
JU番号の構造と役割
JU番号は「JU+10桁の英数字+1桁のチェックディジット」で構成されています(例:JU0123456789A)。この番号が機体の「マイナンバー」のような役割を果たし、所有者・機体・飛行履歴を国が管理するための識別子になります。
ビジネス上の重要なポイントは、JU番号がないと飛行許可・承認申請(DIPS 2.0)を進められないという点です。つまり機体登録は、ドローン業務を始めるための「入り口」であり、ここを省略しては次のステップに進めません。
DRS(ドローン登録システム)とDIPS 2.0の関係
機体登録を管理するのが「DRS(ドローン登録システム)」です。DRSはDIPS 2.0(ドローン情報基盤システム)と連携しており、飛行許可申請の際にDRS上のJU番号を使って機体を紐付けます。したがって同じDIPS 2.0のアカウントで機体登録と飛行許可申請の両方を管理できます。
リモートIDとの関係
2022年6月以降に型式認証を受けた機体の多くは「リモートID機能」を内蔵しています。リモートIDとは、JU番号などの識別情報を電波で常時発信する仕組みです。上空のドローンに対して地上から識別・追跡できる「空のナンバープレート」と考えると分かりやすいでしょう。リモートID搭載機は機体へのラベル貼付が不要になりますが、JU番号の取得(機体登録)そのものは引き続き必須です。
3. 登録に必要な準備(事前チェックリスト)
申請画面を開く前に準備を整えておくと、手続きがスムーズに進みます。
個人として登録する場合の準備物
- マイナンバーカード:本人確認に必須。ICチップ読み取りが必要(NFC対応スマホまたはICカードリーダー)
- 機体の型式名:取扱説明書・製品パッケージに記載。「DJI Mini 4 Pro」等の正式名称で確認
- 製造番号(S/N):機体底面のシールまたは取扱説明書に記載。英数字の混在(O/0、I/1等)に注意
- 最大離陸重量(MTOW):バッテリー込みの重量。メーカー仕様書の「最大離陸重量」欄で確認
- 機体の外観写真:全体が写っている写真(正面または側面)。スマホ撮影で可
- 支払い手段:クレジットカードまたはインターネットバンキング
スマートフォンで申請する場合は「マイナポータルアプリ」が必要です。PCで申請する場合は「ICカードリーダーライター」が別途必要になります。
法人として登録する場合
法人名義で登録する場合も基本的な準備物は同じですが、申請者(担当者)個人のマイナンバーカードによる本人確認が必要です。法人番号は申請画面上で自動照会できるため、登記事項証明書の提出は不要です。
担当者が退職・異動した場合は速やかに変更登録が必要です。法人がドローンを複数台保有している場合は、機体ごとに個別の登録が必要で、それぞれ900円の手数料がかかります。台数が多い場合は事前に機体リストを整理しておくと申請がスムーズです。
登録手数料(2026年現在)
- オンライン申請:1機体あたり900円(有効期間3年)
- 書面申請:1機体あたり2,400円(有効期間3年)
コスト・処理速度の両面からオンライン申請を選ばない理由はありません。書面申請は窓口持参または郵送が必要で、処理に日数がかかります。
4. DIPS 2.0でのオンライン申請手順(ステップバイステップ)
実際の申請はすべてDIPS 2.0のウェブサイト上で完結します。以下の手順で進めてください。
STEP 1:DIPS 2.0にアクセスしてアカウントを作成する
国土交通省が運営するDIPS 2.0にアクセスし、「新規登録」からアカウントを作成します。メールアドレスとパスワードを設定後、マイナンバーカードによる本人確認(eKYC)を完了させます。
本人確認はスマートフォンのカメラでマイナンバーカードを読み取る方式です。ICチップの読み取りが必要なため、NFC対応スマートフォンが必要です。対応機種でない場合はICカードリーダーを接続したPCから手続きを行います。
STEP 2:「機体登録申請」から「新規申請」を選択する
ログイン後、トップメニューの「機体登録申請」→「新規申請」をクリックします。
STEP 3:機体情報を入力する
型式リストに自分の機体がある場合はリストから選択します。DJI・Autel・Skydio・ヤンマーなど主要メーカーの機種は概ね収録されています。リストにない機種(自作機・マイナーメーカー製等)は「型式なし」を選んで手入力します。
- 製造番号(S/N)の入力は慎重に。英字の「O(オー)」と数字の「0(ゼロ)」、英字の「I(アイ)」と数字の「1(イチ)」は特に混同しやすいです。機体底面のシールを手元に置いて一文字ずつ確認しながら入力してください
- 最大離陸重量はバッテリーを含んだ重量を入力します。機体仕様書の「最大離陸重量」欄を参照してください
STEP 4:外観写真をアップロードする
機体全体が写った写真(正面・側面いずれか)をアップロードします。高解像度でなくてもスマートフォン撮影で十分です。
STEP 5:所有者情報を確認して支払いを完了する
マイナンバーカードで確認した所有者情報を確認し、クレジットカードまたはインターネットバンキングで手数料(900円)を支払います。
STEP 6:JU番号の発行とラベル印刷
支払い完了後、即座にJU番号が発行されます。DIPS 2.0上で登録証および貼付用ラベルデータが生成されますので、ダウンロードして印刷します。このラベルを機体に貼り付ければ、機体登録の手続きは完了です。
5. 登録後の義務:ラベル貼付とリモートIDの要件
JU番号を取得しただけでは終わりではありません。航空法は登録後の「表示義務」を別途定めています。
ラベル貼付の義務(航空法第132条の11)
登録を受けた無人航空機には、飛行中に外部から識別できる方法でJU番号を表示しなければなりません。具体的には以下の要件があります。
- 文字の高さ:3mm以上(屋外で判読できるよう5mm以上推奨)
- 貼付場所:機体の飛行中に外部から確認できる位置(底面・側面等)
- 耐久性:飛行中に脱落・消えないこと(耐候性・耐UV性のラベル素材を推奨)
- 鮮明性:他の文字・記号と混同しないよう明確に表示
DIPS 2.0から自動生成されるラベルデータを使えば要件を満たしたサイズで印刷できます。ただし一般的なコピー用紙に印刷しただけでは屋外の雨・直射日光で劣化する可能性があります。耐候性ラベル用紙またはラミネート加工をお勧めします。
リモートIDの搭載義務
2022年6月20日以降に型式認証を取得した機体の多くはリモートIDを内蔵しています。リモートIDとは、JU番号・飛行位置・速度などの情報を電波(Wi-Fi/Bluetooth)で常時発信する装置です。内蔵型リモートID搭載機は、JU番号のラベル貼付が不要になります(ただし電源ON状態での飛行が前提)。
既存の機体(2022年6月以前購入)でリモートIDが未内蔵の場合は、外付けリモートID発信器を搭載することでラベル貼付義務を免除できます。コストは発信器1台あたり1〜3万円程度です。
6. よくある失敗と行政書士が見るポイント
機体登録の相談を受けていると、同じパターンの失敗が繰り返されます。事前に把握しておくことで防げるものばかりです。
① 製造番号(S/N)の誤入力
最も多いミスです。英字の「O(オー)」と「0(ゼロ)」、「I(アイ)」と「1(イチ)」、「S(エス)」と「5(ゴ)」などを混同するケースが多発します。誤ったS/Nで登録しても後から訂正(変更登録)できますが、手続きの手間が増えます。入力時は機体底面のシールを手元に置き、一文字ずつ確認する習慣をつけてください。
② MTOWをバッテリー抜きで申請してしまう
最大離陸重量はバッテリーを含んだ重量です。機体本体のみの重量で申請すると、実際の飛行重量と登録内容が一致しなくなります。メーカー公式サイトの仕様表にある「最大離陸重量」の値をそのまま使用してください。
③ 法人担当者の変更後に変更申請を忘れる
航空法第132条の7では、登録内容に変更があった場合は速やかに変更登録を行う義務があります。担当者の退職・異動だけでなく、法人の住所変更・商号変更なども対象です。人事異動のタイミングでドローン登録管理台帳も合わせて更新する社内ルールを作ることをお勧めします。
④ 有効期限(3年)の更新を忘れる
登録有効期限が切れると、その時点から「未登録状態」と同義になります。更新手続きは満了の3か月前から可能です。機体ごとに満了日が異なる場合があるため、複数機を所有している事業者はスプレッドシート等で一元管理することを強く推奨します。カレンダーへのリマインダー設定も合わせて行いましょう。
⑤ 機体の譲渡・廃棄時の手続き忘れ
機体を売却・廃棄した後も登録状態のままにしておくと、万が一その機体が他者によって飛行された際にトラブルが生じる可能性があります。譲渡した場合は「変更登録」、廃棄・紛失・盗難の場合は「抹消登録」が必要です。
7. 更新・変更・抹消の手続き
機体登録は「取得したら終わり」ではなく、継続的な管理が求められます。
更新登録(3年ごと)
登録の有効期間は3年間です。満了日の3か月前からDIPS 2.0上でオンライン更新が可能で、手数料は新規登録と同じく900円(オンライン)です。更新を忘れると未登録状態になるため、満了日は確実に把握・管理してください。
有効期限は登録証に明記されています。DIPS 2.0のマイページでも確認できます。
変更登録(内容変更時)
以下のような場合、変更登録が必要です(航空法第132条の7)。
- 所有者の氏名・住所・法人名・所在地が変わった
- 機体を改造した(重量・形状等が変わった場合)
- 担当者が変わった(法人の場合)
変更登録はDIPS 2.0上でオンライン手続きが可能です。手数料は無料です。
抹消登録(機体が使えなくなった場合)
以下の場合は抹消登録が必要です。
- 機体を廃棄した
- 機体を他者に譲渡した(→ 新所有者が新規登録または名義変更)
- 機体が紛失・盗難にあった
抹消登録後はJU番号が失効します。廃棄証明書等は特に不要で、DIPS 2.0上で申請するだけで完了します。
まとめ:機体登録はドローン業務の「入場券」
機体登録(JU番号取得)は、ドローンを業務に活用するための最初の関門です。手続き自体は慣れれば30〜40分で完了しますが、事前準備(製造番号の確認・マイナンバーカードの用意)を怠ると余計な時間がかかります。
重要なのは「取得して終わり」ではなく、その後の管理です。有効期限の更新・内容変更への対応・ラベル貼付の維持——これらを社内ルールとして整備しておくことで、法的リスクを継続的に回避できます。
登録が完了したら、次のステップは「飛行許可・承認申請」です。業務でドローンを飛ばす場合、多くのケースでDIPS 2.0を通じた申請が必要になります。機体登録と同様に、事前の理解が手続きを大幅に楽にします。
関連記事
本記事は公開・更新時点の情報に基づいています。制度・法令は改正されることがあります。実際の申請にあたっては、国土交通省・DIPS 2.0等の公式情報で最新の内容をご確認ください。
申請手続きは専門家への相談がおすすめです
ドローンの飛行許可・承認申請は、ルールが複雑で申請漏れのリスクもあります。手続きに不安を感じたら、行政書士などの専門家への相談をご検討ください。
他の記事も読んでみる →