ドローン包括申請と個別申請の使い分け完全ガイド【2026年版】DIPS 2.0での申請戦略・審査期間・費用削減まで実務解説
ドローン包括申請と個別申請の使い分け完全ガイド【2026年版】DIPS 2.0での申請戦略・審査期間・費用削減まで実務解説
はじめに
ドローンで特定飛行(DID上空・夜間・目視外など)を行うには、国土交通省への飛行許可・承認申請が必要です。この申請には「包括申請」と「個別申請」という2つの方式があり、どちらを選ぶかで業務効率が大きく変わります。
包括申請を正しく使えば、年間を通じて多数の飛行が許可1回で済みます。一方、包括申請の条件を理解せずに取得しても、毎回個別申請が必要な状況ではコスト削減になりません。
また、2022年の航空法改正で導入された国家資格(一等・二等無人航空機操縦士)や機体認証制度により、「そもそも申請が不要になるケース」も増えています。
この記事では、DIPS 2.0での申請実務を熟知した行政書士の視点から、包括申請・個別申請の正しい使い分けと、申請を戦略的に減らすための体制づくりを解説します。
第1章:包括申請と個別申請の基本的な違い
個別申請とは
個別申請は、特定の飛行日・飛行場所・飛行目的に対して、都度国土交通省に申請して許可を取る方式です。
例:「2026年5月10日、○○市△△町の〇〇建設現場上空で、外壁点検のためドローンを飛行させる」という具体的な飛行1件ごとに申請します。
- 審査期間:原則10営業日(繁忙期は2〜3週間かかることも)
- 有効期間:その飛行の実施期間(数日〜数週間)
- 向いているケース:飛行頻度が低い・場所が毎回異なる・初めて申請する
第4章:DIPS 2.0での申請手順(包括・個別の違い)
DIPS 2.0とは
DIPS(ドローン情報基盤システム)2.0は、国土交通省が運営するドローン関連手続きのオンラインプラットフォームです。機体登録・飛行許可申請・飛行計画通報など、ドローン関連のほぼすべての手続きがこのシステムで完結します。
包括申請の手順(DIPS 2.0)
DIPS 2.0での包括申請は以下の手順で行います。DIPS 2.0にログインし(利用者登録が必要)、「飛行許可・承認申請」を選択します。申請種別で「包括」を選択し、飛行の種別にチェックを入れます(DID・夜間・目視外など、該当する全種別)。飛行エリアを設定し(全国または特定地域)、有効期間を設定します(最長1年間)。使用機体をJU番号で紐付けて登録し、操縦者情報を入力します(技能証明番号または飛行実績)。飛行マニュアルを添付し(国交省標準マニュアルを使用する場合は省略可)、申請・送信して完了です。審査完了後、許可書(PDF)がDIPS 2.0上でダウンロードできます。飛行時は許可書を携帯または電磁的方法で保持する義務があります。
個別申請との手順の違い
個別申請では、申請種別の選択で「個別」を選択し、さらに飛行日時・飛行場所の詳細を地図上で指定します。飛行ルートや座標を正確に入力する必要があるため、申請書の作成に時間がかかります。
飛行計画の通報(包括申請後も必要)
包括申請・個別申請に関わらず、特定飛行を実施する場合は飛行計画をDIPS 2.0で通報する義務があります(2022年12月以降)。通報は飛行開始の24時間前までに行います。許可を持っているだけでは不十分で、毎回の飛行前通報を忘れないようにしましょう。
第5章:審査期間・却下リスクと対策
審査期間の実態
国土交通省の標準審査期間は10営業日(約2週間)ですが、繁忙期(年度末の2〜3月・年度初めの4月)は3〜4週間かかることも珍しくありません。包括申請であっても個別申請であっても審査期間は同じです。「緊急だから早くして」という交渉は基本的に通りません。余裕を持ったスケジュールで申請することが大原則です。
却下・補正になりやすいポイント
申請書の不備で却下・補正(修正)を求められると、さらに審査期間が延びます。よくある不備は以下の通りです。
- 飛行マニュアルの記載不備:任意マニュアルを使用する場合、国交省の審査基準を満たしていないと補正を求められます。標準マニュアルを使用することで、この問題を回避できます。
- 機体情報の誤り:JU番号(機体登録番号)の記入ミスや、未登録機体の記載は即却下の原因になります。
- 操縦者の飛行実績不足:技能証明なしで申請する場合、10時間以上の飛行実績が必要です(種別による)。飛行日誌で証明できるよう記録を整備しておきましょう。
行政書士への依頼を検討するタイミング
以下のケースでは行政書士への申請代行依頼を検討してください。初めての包括申請で書類準備に不安がある場合、複雑な条件(複数種別・特殊エリア)を組み合わせた申請、却下・補正が続いて審査が長期化している場合、申請業務に割ける社内リソースがない場合です。行政書士への依頼費用の相場は3〜8万円程度です。申請の手間と機会損失を考えると、専門家への依頼は十分に費用対効果が見込めます。
第6章:二等資格・機体認証取得後の申請免除との関係
資格・認証で申請が不要になるケース
2022年の航空法改正で導入された国家資格・機体認証制度により、一定の条件下では飛行許可・承認申請が不要になりました。二等無人航空機操縦士の国家資格と第二種機体認証を取得し、国土交通省の標準マニュアルに従って飛行する場合は、DID上空・夜間・目視外など一部の特定飛行で許可・承認申請が不要になります。一等資格と第一種機体認証の組み合わせでは、カテゴリーIII(レベル4)の有人地帯上空飛行が可能になります。
資格・認証取得とのコスト比較
飛行頻度が高い事業者であれば、包括申請を毎年更新するよりも、二等資格と第二種機体認証を取得した方がトータルコストが低くなる場合があります。包括申請を行政書士に依頼する場合の費用は3〜8万円/年(更新のたびに発生)です。二等資格取得には30〜80万円程度(スクール費用)の初期費用がかかりますが、その後の更新費用は約5万円/3年程度です。飛行頻度が低い初期段階では包括申請、事業が軌道に乗って飛行頻度が上がった段階で資格・認証取得を検討するというステップアップが現実的です。
包括申請から資格取得後の移行
包括申請の有効期間中に二等資格と機体認証を取得した場合、包括申請を利用せずに申請免除で飛行することができます。包括申請は期限まで保持していても問題ありませんが、更新は不要になります。事業の成長とともに申請戦略を見直し、最もコスト効率の良い方法に切り替えることが重要です。
まとめ
包括申請と個別申請の使い分けについて、重要ポイントを整理します。
4つの判断基準
- 飛行頻度が月複数回 → 包括申請が有利。年1回の更新で何度でも飛行できる
- 飛行が年数回のみ → 個別申請で十分。包括申請の準備・更新コストに見合わない
- 急な依頼に対応したい → 包括申請を事前取得。審査期間の壁を乗り越えられる
- 二等資格+第二種機体認証あり → 申請自体が不要になる。長期的に最もコスト効率が高い
ドローン事業を継続・拡大するほど、「申請の手間を減らす仕組み」を作ることが競争力につながります。包括申請の正しい活用と、将来的な資格・認証取得を組み合わせた申請戦略を立てることが、スマートなドローンビジネス運営の第一歩です。
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本記事は公開・更新時点の情報に基づいています。制度・法令は改正されることがあります。実際の申請にあたっては、国土交通省・DIPS 2.0等の公式情報で最新の内容をご確認ください。
申請手続きは専門家への相談がおすすめです
ドローンの飛行許可・承認申請は、ルールが複雑で申請漏れのリスクもあります。手続きに不安を感じたら、行政書士などの専門家への相談をご検討ください。
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